■07/11/12 【第52回】データアーカイブとその課題 第6回

■ERP(Enterprise Resource Planning)の役割
 経営資源を有効活用し、経営の効率化を進めるための手法であるERP(企業資源計画)を実行するためのERPソフトウェアは、グローバル化への適応に苦慮する企業の要望の下、急速に普及した。BPR(Business Process Re-engineering)は、ERPを導入することで達成できるという安心感が広がったのである。

 ERPソフトウェアの効果は、
1.巨大化したデータベースからリファレンスデータを外部メディア化
2.1 によるオペーショナルデータの増加
3.リファレンスデータの常時参照
4.1~3 により、法令による電子帳簿保存法の遵守

これらが可能になったことである。そこから例えば、2年以内の財務・管理会計(Finance and Control)帳簿などはオペレーショナルデータとし、それ以外の帳簿、関係書類をアーカイブ(外部メディア)に移行するというような区別が生まれた。

 しかし、ERPソフトウェアは財務会計、販売管理、購買管理、在庫管理、生産管理など、おおよその管理形態をカバーできる「管理会計」ソフトであるが、すべてのビジネスコンテンツをカバーできるものではない。ERPから漏れる機能はアドオン(拡張機能)の開発を行わなければならず、また外部アーカイブを管理してERPと連携させるためには、さらに新たなソフトウェアの開発・導入が必要になるのである。

■ERPとアドオンの関係
 すでにERPを導入した企業では、ERPへの最新技術の導入が費用対効果の面からみて特別に優れているわけではないことが明らかになった。ERPソフトウェアのバージョンアップよりも、ハードウェアやDBMS(Data Base Management System)技術開発力のほうが速く、ERPを導入した企業では、バージョンアップを進めるか、バージョンアップをしないまま保守契約を進めるか、場合によっては、保守契約さえも中止するかの選択を迫られている。「ERP問題」は、バージョンアップの際にシステムインテグレータがアドオンの更新までを保証しないことから、ERPそのものをバージョンアップするには、アドオン更新の別費用が加算されることに端を発したのである。

 そこでERPを導入済みの企業では、費用対効果を考慮した上で、ERPに備わっている標準インターフェースを活かすか、新たなアドオンプログラムを開発するか、外部SQL(Structured Query Language)プログラムを開発するかの判断が重要となる。一般にアドオンを開発してERPシステムと連結するためには、データ抽出、データ編集、出力、エラー処理、データ転送などの機能を開発しなければならない。この方法では、開発効率や保守メンテナンス効率が悪く、メインデータファイルをOS上に置くことを前提にすると、ハードウェアへの負担やさらなるアプリケーションの開発なども視野にいれておかなければならない。

 案件によって異なる費用対効果であるが、最近ではERPに備わっている外部接続を可能にするインターフェース・テクノロジーを利用し、外部フォーマットへの変換や通信を行うシステムが注目されている。このインターフェース・テクノロジーを受け皿にして、ERPシステムのアプリケーションデータを橋渡し(プログラム間通信)するのがALE(Application Link Enabling)などのインテグレーション・テクノロジー(統合技術)である。現在ではビジネス・コンポーネント(ビジネス構成要素)をインターフェース・テクノロジー、インテグレーション・テクノロジーで連携できる環境が整い、ERPのネットワーク化が実現している。

 しかし、ERPシステムと外部システムを連携するためには、やはり外部システム側にもERPの標準インターフェースに対応するアプリケーションが必要になる。アプリケーションを外部システムに導入せずに連携するためには、連携ソフトウェアの導入が必要となる。この連携ソフトウェアには、ERPプロトコルを介したデータの連携、ERPと外部システムとの双方向機動、フォーマットおよびコード変換機能が必要である。