
■プライバシーと個人情報
「私的事項である個人に関する情報が、不特定多数の他者の目に晒されて、当人が不快感をもつ」ことをプライバシーが侵されたと定義することができる。情報ネットワーク社会となった現代では、個人情報がデータベース化される傾向が強いため、個人情報の盗用、書き換えによる情報の「悪用」、またスパイウェアやWinnyなどによる情報の盗用や漏洩が、セキュリティ問題としてクローズアップされている。
アメリカでは早くから、プライバシー法(1974)が成立し、公的に個人情報を収集している記録保管団体に対して、個人情報の存在の公表、記録されている自分の個人情報を自分が知る権利、その情報を修正する権利、個人情報収集の制限、記録保管者による利用、外部組織への提供の制限、個人情報の合法的内部管理、情報管理体制の責任所在などを求めている。
日本でもインターネットの普及とともに、顧客は、Webサイトからの商品情報やサービスを受ける際に、ID登録とともに、名前、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報を提供することが必要になっている。個人情報保護法が施行され、Webサイト側(企業)は、入手した個人情報の利用方針、個人情報に関する管理規定、管理実態を、消費者に開示しなければならない時代をむかえている。
では、個人情報とは何であろうか? 個人情報は、
1 個人を特定できる名前、住所、属性などの固有情報、
2 Webサイトにおける個人の固有情報と購買履歴、閲覧履歴などの消費行動情報
である。企業はID登録により、特定化された個人の購買履歴・閲覧履歴から消費パターン分析をおこない、消費傾向(おすすめ商品)を、消費者に提供することが可能になる。個人情報は、取引時にのみ利用されるのではなく、データベース化され、他社へ転売され、流出する危険性を常にともなっている。個人情報が、「購買情報」と直結している時代だからこそ、「情報」は「金銭」と同等の価値を持つのである。
■個人情報保護とWEBサイト管理者
だが、消費者は個人情報のデータベース化に対して、「プライバシー法」に照らして、個人情報が自分自身のものであること、収集情報、利用状況を知る権利があること、情報そのものをコントロールできる権利があることの認識が弱い傾向にある。
Webサイト管理者は、ID登録画面やプライバシーポリシーを通して、個人情報の取り扱いに関する十分な説明を行い、承諾を消費者にゆだねる必要がある。また個人情報の情報セキュリティについても、SSLを導入し、送信の暗号化を行うなどの説明をしなければならないのである。Webサイト管理者は、消費者に対する当事者の個人情報の開示、修正、更新、廃棄、第三者との個人情報の共有化や送信などについても、消費者の許諾を行い、消費者とともに個人情報を管理する姿勢が、今後ますます必要になってくるものと思われる。
米国連邦取引委員会(FTC:2002)は、個人情報について、消費者向け啓蒙文書を発表している。その趣旨は以下5点である。
1 サイト側に情報収集の内容、安全性、使用実態、消費者の選択権を問うこと。
2 子ども(13歳以下)向け情報収集には、事前に保護者の同意を得ること。
3 ブラウザ(IEなど)の安全性、情報の暗号化について確認すること。
4 パスワードは、重要個人情報を使用すべきではないこと。
5 サイト側の連絡先、責任者、メールアドレス、住所、電話番号が明記されているのを確認すること。
企業は、サイト管理を行う際に、法律に照らしあわせ、迅速かつ丁寧な消費者対応を心がけることが大切である。