
■ITILの日常管理と運用
ITILは、7つの分野から成り立っている。それは、1)ビジネス展望、2)サービスマネジメント導入計画、3)アプリケーション管理、4)セキュリティ管理、5)情報および通信技術管理、そして、ITILの核心である、6)サービスサポート、7)サービスデリバリからなっている。ITIL導入後は、サービスマネジメントの2つの核となる、サービスサポートとサービスデリバリを安定的に運用することが大切だ。サービスサポートは、ユーザの要望にそったITサービスレベルの維持、サービスデリバリは、社内の費用対効果に見合ったコストの最適化を目的としている。
サービスサポートには1つの機能と5つのプロセスがある。それは、ユーザからの問い合わせ窓口機能である「サポートデスク」機能と、1)ユーザに対するアイテム内容やアイテム構成、ITインフラ、ITサービスを管理する「構成管理」、2)ユーザに対するサービス反応(インシデント)の分類と問題点の把握、解決を担う「インシデント管理」、3)問題情報の共有、インシデントの根本原因の追究、再発防止を担う「問題管理」、4)システム変更の際にも、ユーザへの影響を最小にとどめ、変更によるリスクを抑える「変更管理」、5)システム変更の際に、ハードウェア、ソフトウェアの構成・バランスを計画する「リリース管理」の5つのプロセスである。
また、サービスデリバリには5つのプロセスがある。1)ITサービスと事業戦略の整合性をとることで、サービスの維持、向上をはかる「サービスレベル管理」、2)ビジネス目標の達成に見合った高い費用対効果の可用性を維持するために、ITインフラのサポート組織への適合化を担う「可用性管理」、3)ITリソース需要の予測をしながら、より効果的なリソース管理を行う「キャパシティ管理」、4)災害・事故の際にも、サービスの維持を可能にし、約束された時間内に復旧をはかり、ビジネスの継続を保障する「ITサービス継続性管理」、5)ITサービスに関連する予算、コスト、精算管理、経営に対するITコスト情報を提供する「ITサービス財務管理」の5つである。
このような10のプロセスが、統一されたITIL管理基盤によって、1)IT機器のライフサイクル管理、2)ソフトウェアのライセンス管理、3)更新・履歴ログ管理のもと、ユーザからの問い合わせ・苦情情報、ハード・ソフトウェアの障害情報など、蓄積された情報の分析を果たすサービスデスク機能、4)パソコンの購入、新設または移設、データベース更新などの一連の処理をフローで処理するワークフロー機能、5)各管理情報を公開、ユーザの自己対応を促し、システム管理者のいっそうの自己管理を促すWEB機能、6)リース契約やライセンス契約、ユーザ回答期限などを点検するアラーム機能として具体的に稼動する。このような機能を効果的に用いるために、それにシステム全体を管理するネットワーク・サーバー監視、ハードウェア・ソフトウェア情報の自動収集、バーコードによる情報管理などが連携され、ITILが本格的に動き出す。
■国際規格(BS15000/ISO20000)との関係
ITILは英国規格協会(BSI)により標準化され、ITサービスマネジメントに関する英国標準(BS15000)になった。それは、認証をともなったITサービスマネジメントの国際規格でもある。BS15000は、BS15000-1(仕様)とBS15000-2(実施基準)からなる。BS15000はITILの「サービスサポート」と「サービスデリバリ」がそのまま導入され、情報セキュリティマネジメントシステム規格のBS7799の形式に基づいている。ITILが実践的な指南書だとすれば、BS15000は規則書ということができる。
ISO20000は、2005年12月15日に、国際規格として発行された。ISO20000-1とISO20000-2は、それぞれBS15000をISO化したもので、規格内容に大幅な変更はない。パートⅠ・Ⅱの構成の統一、用語の変更などがあり、BS15000より読みやすくなった。