■06/01/16 【第6回】社内PCの個人目的による使用が企業を危険にさらす

 企業PCの私的利用には、さまざまな危険が存在している。その危険は、個人よりも企業に影響が及ぶことが多く、場合によっては信用問題に発展することもある。危険なサイトの巡回や掲示板への書き込みは、ウイルスの感染やスパイウェアの侵入、企業情報や顧客情報の流出につながる危険性があり、事実、このような事件がいくつも発生している。


 ここ最近でクローズアップされている問題は、ファイル共有ソフトの使用だ。問題となっているファイル共有ソフトは「P2Pソフト」と呼ばれるもので、代表的なソフトに「Winny」がある。Winnyのファイル共有方法の特徴は、独立したサーバを持たないことだ。端末となるPC同士を直接接続し、ファイルの足りない部分を互いに補い合うことでファイルを共有する。

 このため、P2Pソフトを起動している間は、たとえファイルをダウンロードしていなくてもデータのやり取りが行われている。また、PC内の共有ファイルを常に誰かに提供することにもなるので、P2Pソフトによって企業ネットワークの帯域を専有されてしまう可能性がある。企業にせっかく高速で大容量の回線があっても、P2Pソフトのために本来の業務の通信が制限されてしまう。

 帯域を専有してしまうという点では、オンラインゲームも同じことがいえる。特にオンラインRPGゲームはクライアントソフトもサイトからダウンロードできるため、会社のPCにインストールすることも容易だ。リアルタイムでゲームが進行する上にグラフィックが美しいものが多く、チャット機能を搭載するものが一般的だ。ゲームの世界の住人としてプレイするため、帯域を消費することはもちろん、仕事に手がつかなくなってしまう。

 P2Pソフトの最大の問題は、そこでやり取りされるファイルにある。Winny上では、違法コピーされた音楽や映画などのファイル、アプリケーションソフト、アダルト系のファイルなどがやり取りされている。また、Winnyを悪用するウイルスも多数あり、ウイルスが含まれたファイルも多い。このウイルスに感染すると、PC内の重要なファイルがネットワーク上に流出してしまう。近頃は、このような情報漏洩が非常に多い。

 社員の個人目的による企業PC使用は、企業全体で取り組むべき問題である。セキュリティポリシーを策定し徹底させることはもちろん、就業規則に明記したり、社員ひとりひとりに同意書を書かせるなどして企業の取り組みを周知させる必要がある。また、社内にあるPCのソフトウェアインストール状況や、業務中にどのようなソフトが起動しているのかを把握する必要がある。何よりも社員にも危機意識を喚起し、モラルを向上させることが重要だ。