
清水建設は、本社や国内各支店はもとより、全国各地に広がる建設作業所に設置しているクライアントPC約15,000台を管理するために、「LANDesk® Management Suite」を導入しています。そこで、LANDesk認定販売代理店である株式会社インテックとともに、LANDesk導入の経緯と運用の実際を、清水建設情報システム部の四元様と寺平様に伺いました。
清水建設株式会社
情報システム部 主査
四元 英夫氏
清水建設株式会社
情報システム部
寺平 将高氏
■導入の背景
■ネットワーク型ワームの被害により、予防型セキュリティへと移行
清水建設は、1804 年(文化元年)創業、200 年以上の歴史を持つ大手総合建設会社です。スーパーゼネコン5 社のひとつとして、数々の有名建築物を手掛けています。
2007 年4 月現在、従業員数は11,357 人。日本全国に支店・営業所のネットワークを張り巡らせていますが、建設会社特有の課題として挙げられるのが、建設作業所に配置されたクライアントPC の管理です。
規模の大小を問わず、あらゆる建設作業所にクライアントPCが設置され、工期が終われば別の作業所にそのまま移動したり、一旦回収した後に新しい作業所に再出荷されたりしています。
現在、クライアントPC の台数は全社合わせて約15,000 台。うち60 %程度が、約1,500 ヶ所に分散している建設作業所に設置されています。クライアントPC は、NTT のフレッツ回線(フレッ
ツ・ADSL、B フレッツ、フレッツ・ISDN )を利用して基幹システムにアクセスしています。
「建設作業所での作業は、ほとんどが半年から長くても2 年程度です。短いサイクルで拠点が変わるので、クライアントPC の効率的な管理はシステム運用部門の大きな課題です」(四元氏)。
そのような中、2003 年の8 月ごろ、ネットワーク感染型ワーム「MS ブラスター」が日本中で猛威を振るいました。同社の社内ネットワークも感染の被害に見舞われ、システムの一部が停止に追い込まれてしまいました。
「当時、Windows アップデートは、各ユーザに一任していましたが、アップデートされないままのケースが多く、そのことも被害を受けた要因でした」と、四元氏は振り返ります。当時は、新規出荷分のPC は最新の状態にしていたものの、出荷後はトラブルがない限り、パッチをあてることはなかったといいます。そこで、「感染してから対策を始めるのではなく、セキュリティ情報が更新されたらすぐに対策を施すため」(四元氏)、セキュリティパッチ配布ツールの導入を検討しました。
配布ツールの検討を始めて約半年後には「LANDesk® Management Suite」の導入が決まり、2004 年4 月から本格運用がスタートしました。システムの比較・検討にあたっては、カタログやWeb 情報などからパッチ配布ツールを複数ピックアップ。その後、ベンダー訪問やデモンストレーションを経て、LANDesk を選定しました。選択の決め手はどこにあったのでしょうか。
「サーバの台数が少なくてすむことが大きな要因でした。他社製品の中には、クライアント1000 台に対してサーバ1 台というスペックもあり、それでは当社の規模だとサーバが15 台も必要です。LANDesk は、サーバ1 台でも約10,000 台のクライアントPC が管理できるので、コスト面でも運用・管理面でも大きなメリットがありました」(四元氏)。
ルータのNAT 越えに対応していることもポイントでした。「建設作業所の約50 %がNAT 環境にあるため、この条件がクリアできないと使えないことになってしまいます」(四元氏)。サーバプッシュ型の製品は多くありましたが、クライアントから引き出せるプル型の製品は少なかったといいます。
また、後々の運用やサポートを考えた時、販売代理店である株式会社インテックのシステム運用部隊が、清水建設の情報システム部門のシステム運用管理を一部で請け負っていたこともポイントになりました。「インテック様の代理店営業と運用部隊は別でしたが、検討段階でも何かと相談できたこともあり、長くおつきあいをするパートナーとしても最適であると考えました」(四元氏)。
■LANDeskの全社展開について
■クライアントの操作性に配慮し、スムーズな導入と一括管理体制を実現
約15,000 台のクライアントPC にLANDesk を導入するにあたり、新規出荷分はあらかじめLANDesk をインストールした状態で配布し、既存のクライアントにはネットワーク経由によるダウンロード方式と、CD-ROM による配布方式を採用しました。CD-ROM による配布は、回線速度が遅い建設作業所に対応するためと、PC のリテラシーが高くない利用者にもインストールしやすくすることを考慮した結果です。
「導入実績を社内メールで知らせたり、担当者に粘り強く促した結果、最初の半年間で約半数の8,000 台の導入までこぎ着けました」(四元氏)というように、導入は比較的スムーズに進みました。
現在は、LANDesk のソフトウェア配布機能とインベントリの2 つを使って、セキュリティパッチの配布と、クライアントPC の管理に利用しています。パッチの配布については、マイクロソフトから毎月第2 火曜日に更新情報が提供され、それを情報システム部門が動作確認を行い、必要なパッチをパッケージ化してLANDesk 経由で配布します。クライアント側は、ログイン後に通知されるメッセージに従って自動更新を実行するだけで、最新のセキュリティ状態に保つことができるのです。運用管理を担当している寺平氏は、「現在は、LANDesk のユニキャストで配信していますが、これからは、運用の様子を見ながらマルチキャストでの配信も検討したい」と、話します。
インベントリは、クライアントPC の管理に使われています。OS の種類、Internet Explorer のバージョンなどを適宜チェックし、必要に応じてバージョンアップなどを促します。建設作業所におけるPC の設置状況については、部署や所属部隊などの大きな括りで捉える程度で、シビアなトレースは行っていません。その理由を四元氏は、「作業所のクライアントPC は、作業状況に合わせて増えたり減ったりするうえ、作業所間を移動することも多いので、厳密に管理し過ぎると作業効率を落とすことにつながりかねません。また、万が一クライアントPC がウイルスに感染したり、盗難にあった時でも、LANDesk のインベントリ管理によってPC の特定ができるので、非常時の対策に役立っています」と説明します。

LANDesk・システム構成イメージ
■運用状況、将来の展望
■コンプライアンスへの対応強化と、Windows Vista へのスムーズな移行を目標に
企業にコンプライアンスが求められる中、清水建設でもLANDesk を積極的に活用しています。「昨年は、全社的にハードディスクの暗号化ソフトを導入しました。建設作業所では、PC の盗難や紛失のリスクも内勤に比べて高まりますので、そのような場合にも情報漏えいを避けるためです。暗号化ソフトの導入状況もLANDesk で管理できるので、導入率を逐次チェックしています。未着手の支店や作業所には積極的に導入を促すなどして、1 年間かけて約10,000 台の導入を達成しました。LANDesk が無かったら、容易に導入状況を把握することは出来なかったと思われるので、導入展開に大いに役立っています」(寺平氏)。
今後は、ソフトウェアライセンスの管理や、未承認の個人PC をネットワーク接続から排除するといった内部統制、セキュリティ面での施策も検討しています。
また、2004 年4 月の導入から3 年以上が経ち、ユーザからの反響も序々に集まるようになってきました。実際、クライアントPC にどのようなアプリケーションが導入されているのか、バージョンは何か、新しいソフトを導入したいが必要なツールは入っているかといった質問が部門IT 管理者から寄せられたり、バグの修正モジュールを配布して欲しいといった声も寄せられています。
2007 年4 月からは「LANDesk® Management Suite」のバージョンを8.0 から8.6 にアップグレードし、活用範囲の拡大に向けて準備中です。「今年は、全社的にWindows Vista への移行が課題です。セキュリティパッチを更新するだけでも、Vista 特有の動きがあるので、現在はLANDesk による配布の動作などを検証している段階です。今の環境でできることが、Vista に変えてできなくなると困るので、年内を目処にスムーズに移行することが目標です」と、寺平氏は展望を語ります。
以上のように、清水建設様では建設作業所を含む全国各地に広がる多数のクライアントPC を、少ないサーバで効率よく管理しています。このような、拠点が点在するなかで多数のクライアントPC を一括管理することは、LANDesk ソリューションの得意分野だといえるでしょう。
■導入企業の紹介
清水建設株式会社
スーパーゼネコン5 社の一角を占める業界大手の建設会社。「地球社会への貢献」「人間尊重」「革新志向」「顧客第一」「情熱」の5 つを経営理念に据えて堅実経営を展開している。
創業:1804 年(文化元年)
本社:東京都港区芝浦1-2-3 シーバンスS 館
代表取締役社長:宮本洋一
資本金:743 億6,500 万円
売上高:1 兆6,540 億円 (平成18 年度・連結)
従業員数:1 万1,357人 (2007 年4 月1 日現在)
事業内容:建築・土木等建設工事の請負 (総合建設業)
http://www.shimz.co.jp/